東薬寺の宝篋印塔

先に紹介した宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、密教系寺院に多く置いてあります。その造立の理由はさまざまです。

東薬寺様の宝篋印塔は、文化4年(1807)のもので、現在観音堂・大悲殿の横にありますが、もとは山際の旧本堂の裏手に置かれておりました。移設工事の際に塔の下から大きな甕(かめ)が発見され、中には1000個以上の小石が詰まっていました。石にはお経の文字や梵字(ぼんじ インドのサンスクリット文字)が書かれていました。

塔は、この地域の有力者野口伝左衛門が、妻の三回忌の忌年行事として寄進したものです。

野口家は代々富山藩十村(とむら 大庄屋)役を勤めた家柄です。東薬寺の有力な信徒でした。小さいながらも造形や文様は立派な塔です。


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