日石寺の寄進燈籠

大岩山日石寺の参道にある写真の燈籠は、福井県坂井港の商人などが作った参拝講(信仰の集まり)の構成員52人が、明治22年(1889)以降に寄進したものです。坂井港は、旧名を三国港といい、北前船寄港地として栄えた港です。

石は越前石ともよばれる笏谷石(しゃくだにいし)で、富山の金屋石・井波石と同じ緑色凝灰岩です。中央のバチ形の竿はその後富山の石に取り替えてあります。

笠の内側に垂木(たるき)を細かく表現するのが富山と違う点です。

基礎には講の構成員の名前のほか、木谷惣助(きたに そうすけ)という石工銘があります。惣助は世話役にも名前があるので、坂井港周辺の石工であること、この寄進の実質的な段取をした人物ということがわかります。遠路はるばる船でこの燈籠を運んでこられたのですね。

富山石文化研究所ブログ

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