ブログトップの石仏
ブログのトップにある石仏についてご紹介するのを忘れていましたね。
富山市の南部、月岡町(富山地方鉄道 開発駅すぐそば)にある真言宗の古刹 龍高寺様にある、宝篋印塔(ほうきょういんとう)という石塔の一部です。写真が石塔全体で、高さが4.8mもある大型塔です。江戸時代寛政9年(1797)に龍高寺60世尭教(ぎょうきょう)住職が造立しました。この形式の塔は密教系寺院にあることが多いです。宝篋印陀羅尼経を納めてお祈りすればすべての罪業が許されるという、まことにご利益のある塔なのです。
この塔が特別なのは、基壇に写真のようなレリーフの石仏が88体刻まれていることです。真言宗で88といえば、もちろん四国遍路八十八ヶ寺、宗祖弘法大師様ゆかりの寺々の本尊を彫ったものです。専門家に聞きましたが、このような八十八ヶ寺本尊を宝篋印塔に彫った例は国内に他にはないということです。たいへん貴重なものなのです。
ちなみに、この塔は常願寺川石工が4人がかりで作ったものですが、そのうちの一人が岩瀬御蔵町の准提観音様を作った中川甚右衛門です。
本場四国に巡礼に行かなくても、弘法大師ゆかりの寺で四国霊場をあらわした「写し霊場」というのも各地にあります。この塔もそのような意味があると思われます。
ご本尊は塔の四面に彫られており、3段になっているので、この塔を3回ぐるりと回れば、(お手軽に)88ヶ所を全部回ったことになるのではないか、と思うのは私だけ?
龍高寺様にぜひお参りくださいませ。
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