石工の伝説

昭和12年(1937)に小柴直矩氏が編集した『越中伝説集』の一つに、石工の伝承がありましたので、紹介します。


江戸時代、加賀藩が立山室堂に山小屋を立てるとき、富山から100人近い石工が立山に登り、入道岩という巨岩を割る仕事が申し付けられた。

吉次郎という若い石工は、割ることに成功したが、穴にゲンノウを落としてしまい、それを拾おうとして割れ目に入ったところ、割れ目が閉じてしまった。仲間は仰天し、石を割ろうとしたところ、叩くごとに血しぶきが飛び散った。何とか割り終え、仲間の復讐をとげたという。


これは石切石工の話であり、復元された室堂の横には、小割した石で積んだ石垣が残されています。室堂北棟は、江戸中期(18世紀前半)構築と推定されているので、その頃の話と推定されます。



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