石はどこから?② 常願寺川

常願寺川で獲得できる石には、花崗岩や安山岩があります。

常願寺川流域で、石工が活発に活動し始めたのは、中世からだと思います。

特に墓石を作ることが普及しはじめた鎌倉・室町時代頃、僧侶や武将の墓石として作られた宝篋印塔(ほうきょういんとう)や五輪塔(ごりんとう)に常願寺川産の安山岩が使われました。

中世末から江戸初期に、小型の個人墓が普及する頃には、多くの墓石が量産されるようになりました。

いずれも硬い花崗岩ではなく、やや柔らかい安山岩が選ばれました。安山岩のなかでも硬軟があるらしく、硬い安山岩は板石に、軟らかい安山岩は石仏などの造形品に加工されました。

常願寺川上流 富山市小見付近の川原。灰色の石が安山岩。


富山市山室神社境内に並べられた中世石造物。奥が五輪塔、その手前が板碑、前列は如来形石仏。ほとんどが墓石として作られたものです。神社周辺に中世に大きな寺院があったのでしょう。

富山石文化研究所ブログ

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