石はどこから?①
石造物の原石になる「石」は、火山の多い日本では火山岩に由来する石と、海や川などの底に積み重なったものが固まった堆積岩(たいせきがん)などがあります。
いろんな石の種類を知りたければ、近くの川を訪ねてみましょう。
川原にある石を調べれば、その地域にある石造物の石材と同じものが多いはずです。
狭い範囲で100個以上小石を集めれば、おおむねその川で産出する石の種類がわかると思います。
石工らは、そこから希望する石を選び、加工して石造物を作りました。
富山では川原から石材を調達したことをこれまで紹介してきましたが、実のところ、日本における石材の調達は、まとまった岩盤や山中の巨石群から行うことが主流でした。そういう仕事に携わる専門の石工は、「石切(いしきり)」とも呼ばれ、石を切り出した場所は「石切場」といいます。
ですから、常願寺川石工が常願寺川の川原から川原石(玉石)を自前で調達し、近くに工房を設けて石造物を作る、といったシステムは、当たり前のように紹介してきましたが、むしろ数少ない例ではないかと思います。
もちろん富山にも各地に石切場はありました。砺波市の金屋石の石切場がよく知られていますね。
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