常願寺川石工の村【長屋村】

常願寺川左岸中流にある石工村の一つ、長屋村は、古い村名で、現在は富山市八川の町名となっています。

先にご紹介した城村の下流側、北側に隣接する村です。

江戸安政6年の古文書には、長屋村石工として「与三右衛門」の名が見えますが、刻銘のある石造物は見つかっていません。

長屋村にある地蔵堂は、2013年頃解体修理されました。解体の時、中の地蔵様などを拝見させていただいたところ、文化12年(1815)の舟形地蔵様、万延元年(1860)年の丸彫り阿弥陀如来様のほか、中世の宝篋印塔の軸、板碑が入っていました。地蔵様・阿弥陀様はいずれも端正でふっくらとしたお顔で、馬瀬口村中川甚右衛門の作とみられます。両方とも長屋村で造立したものです。丸彫りの阿弥陀様はこの地域では珍しいですね。

長らく伝えていただきたいものです。

YouTube動画 https://youtu.be/zRE8TutWj6M

地蔵堂のご本尊様舟形地蔵様 文化12年 甚右衛門作

もう一つ丸彫り阿弥陀如来様 万延元年 甚右衛門作

旧長屋村(八川村) 西から

富山石文化研究所ブログ

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