石工の共作【2人】その2

もう一つに例を紹介します。

常願寺川石工である馬瀬口村中川甚右衛門と、上市石工の平井庄右衛門がもう一つコンビを組んでいるものがあります。


立山町岩峅寺雄山神社前立社壇から立山室堂に登る、いわゆる「立山道」には、文化8年(1811)、西国三十三観音霊場のご本尊様の石仏が置かれました。岩峅・芦峅の信徒の寄進によるものです。

立山町などの調査により、現在25体の現存が確認されています(詳しくは『立山道 石造物マップ』立山町教育委員会発行)。

これも二人の共作です。笠付四角形石仏で、下の台座が砂岩のものが庄右衛門作となります。日石寺と同じ流儀ですが、立山道では庄右衛門の石仏は、彼自身の容貌で製作しており、日石寺と異なります。

同じコンビでも、分担の仕方がケースバイケースだったのでしょう。

立山道4番観音(平井庄右衛門)


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