常願寺川石工の村【西番村】
西番(にしのばん)村は、馬瀬口村の下流側にあり、馬瀬口村とともにもっとも常願寺川本流に近い場所です。現在市営墓地(富山霊園)・富山市斎場があります。この地はもともと村はずれに置かれた墓地が発展したものです。
西番村には、江戸後期に、金山菊右衛門、重右衛門、明治になると、金山菊次郎、金山源治、北野甚助がいました。金山菊次郎は、「菊」の字を襲名していることから、金山菊右衛門の子あるいは弟子とみられます。
現在、集落の南に金山石材店様がありますが、ここは金山菊次郎の子孫が経営されているところです。菊次郎が初代、利右衛門が二代ということです。
江戸時代の石工業が現在まで続いている家はなく、明治以降でもこの金山石材様だけが受け継いでいるといった貴重な存在なのです。職人は一代限りの腕(技量)が物を言う世界なのでしょう。そういう意味で、世襲で存続している金山家は、代々腕の良い石工を輩出したということでも、素晴らしいことだと感じました。
西からみた西番村です。ドローンによる180°パノラマ撮影のため、画面がゆがんでいますが、イメージをお楽しみください。
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