尊形花立
お家の仏壇に、生花を飾る花瓶があると思いますが、ガラスや陶器ではなく、金属製ですね。
このような花瓶を「けびょう」と呼びます。ほかに「花入(はないれ)」「花立(はなたて)」ともいいます。
特徴は、口がややひろがり、胴部が丸く、底(足)が広がる形をしており、中国の銅器の「尊(そん)」に似ていることから、尊形花瓶(そんがたけびょう)と呼びます。
このような尊形の花立は、外に置かれるものは石製で、石工が作りました。
お墓のものは仏壇のものより一回り大きく、石碑やお堂の外に置かれたものは、1m近い大型品です。
大型品は、口が大きく広がり、まるでラッパやトロフィーの一種のようですね。面白いのは、両側にある取っ手に、鳥や、ねじれた紐など装飾がされていることです。
そしてこのような花立は、今のところ、立山信仰に関係したところで見つかっています。江戸後期以降のものです。石工は、立山信仰に関わっていた中川甚右衛門・北野甚蔵・中島栄蔵のいずれかと思いますが、はっきりしません。
岩峅寺・芦峅寺を訪ねられたら、探してみてください。
上2つは、芦峅寺庚申塚のもの。取っ手の立体的な花は、上から下へ開花していく姿なのでしょうか?
下2つは、芦峅寺雄山神社のもの。牙があるように見えますが、鳥?
0コメント