常願寺川石工牧喜右衛門の観音様
私事がかさなり、しばし休んでおりました。
さて、私が好きな石仏のひとつをご紹介します。
立山町白岩の安楽寺様境内に、常願寺川石工牧喜右衛門作の石仏があります。
舟形光背(こうはい)の聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)様で、明治3年3(1870)の造立です。
切れ上がった目尻、まっすぐな鼻筋、やや冷たい感じの微笑をたたえたお顔立ちは、喜右衛門ならではのものです。
光背は祥雲文(しょううんもん)の浮彫で埋められた、甚右衛門様式で、やや浅い彫りです。蓮華座の蓮弁(れんべん)は、内側を浅く彫り下げた、喜右衛門の独特な意匠です。
安楽寺の聖観音菩薩様は、牧喜右衛門の代表作の一つといえるでしょう。
0コメント