月岡のお不動様

先に珍しい宝篋印塔(ほうきょういんとう)で紹介した月岡西光寺には、ちょっと目を引く立派なお不動様がおられます。

宝篋印塔と同じ両替商の方の墓地の一角にあります。

舟形光背(こうはい)の頭上中央に祥雲文(しょううんもん)のようなデザインがある、大きく、独特な火焔光(かえんこう)が特徴ですね。

お不動様はやや細身ですが、やや大きめのお顔でにらんでおられます。目は両眼とも開く天地眼(てんちがん)で、丸い眸がなぜか強い印象です。全体的に気風のある容貌ですね。お顔の特徴から、馬瀬口村甚右衛門と思われます。

 基礎正面に夫婦の戒名があり墓石なのですが、中央に「三界万霊」と大きく彫っています。

三界万霊とは、生きとし生けるもの全ての霊を供養するという意味です。先祖霊やはては動物霊まですべての霊ということです。通常は、集落の入口や辻などに置かれるお地蔵様などの台座にこの言葉が使われるのですが、個人のお墓というのは珍しいようです。

右手に持つ長大な剣、先っちょが折れているのが返す返すも残念です。とはいえ、すばらしい造形のお不動様といえます。

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