立山山麓の中世石造物

さて、富山の話題に戻ります。

立山山麓の常願寺川は、立山カルデラ周辺から流出する火山岩などを下流に運びました。河川敷では安山岩(あんざんがん)などの火成岩と花崗岩(かこうがん)などの深成岩が多く拾えます。

扇状地の扇頂部付近では、1mほどの玉石を見かけますが、砂防ダムができる以前はもっと大きな石がたくさんあったと思われます。安政5年(1858)の飛越地震に伴う土石流で、中流まで巨石が流され、現在水神様として祀られているものもあります。

中世には、この周辺の石工は、青灰色の安山岩を選んで使いました。風化しにくく、軟らかく細工し易い石であり、50~60cmほどの玉石から小さな墓石1つを作りました。組み合わせた五輪塔(ごりんとう)なども多くあります。

芦峅寺閻魔堂横の明念坂にある五輪塔。一石で造っているので一石五輪塔といいます。

正面側に戒名・年号があります。天正14年(1586)の墓石です。

富山石文化研究所ブログ

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