飛騨神岡へ行った石仏
常願寺川石工たちの飛騨国への出張製作は、国境に程近い横山村までだと、先に紹介しました。
飛騨神岡町殿の臨済宗瑞岸寺(ずいがんじ)境内には、文政13年(1830)の銘のある石仏があります。主尊は地蔵菩薩様で、石材は常願寺川産の立山天狗山石です。これは有峰の西谷にあったものを、有峰ダム建設で神岡へ移住された村人が山から降ろし、同寺に預けられたものといいます。
年号のみなので、墓石ではなく石仏のようですが、どのような理由で造立されたのかは不明です。
石造物が移動する理由は様々ですが、住民が大切にして、移住の際移住先に持っていくことも、よくあることのようです。事情がわからないと、まちがった解釈も生まれるので、注意深く調査する心がけが大切です。わたしのような早とちりは特にです。
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