石工がわからない石仏石碑 その2
神通峡の東猪谷には、もう一つ石工が確定できない石仏があります。
集落で「サンニャサマ」と呼ばれている、笏(しゃく)をもつ男神の石仏です。
天保9年(1838)造立された猪谷石製です。
この石仏は、二十三夜(月待)塔であったといわれています。
二十三夜は月齢のことで、この日に参加者(「講」といいます)が集まり、夜通し起きて過ごすことで悪霊を払うという、月待行事の一つです。その記念として建てた石塔なのです。二十三夜をつかさどる仏様は、勢至菩薩(せいしぼさつ)様とされています。
神様のお顔は、どことなく同村宝樹寺の徳本名号塔の阿弥陀如来様と似ています。
宝珠(ほうじゅ)形にほりさげた中に神仏を浮彫する特徴も共通していますので、同じ石工の作かもしれません。あるいは飛騨方面の石工か?
どの石工の作か、解明が難しいですね。頑張ってみます。
東猪谷のサンニャサマ
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