石工がわからない石仏石碑 その2

神通峡の東猪谷には、もう一つ石工が確定できない石仏があります。

集落で「サンニャサマ」と呼ばれている、笏(しゃく)をもつ男神の石仏です。

天保9年(1838)造立された猪谷石製です。

この石仏は、二十三夜(月待)塔であったといわれています。

二十三夜は月齢のことで、この日に参加者(「講」といいます)が集まり、夜通し起きて過ごすことで悪霊を払うという、月待行事の一つです。その記念として建てた石塔なのです。二十三夜をつかさどる仏様は、勢至菩薩(せいしぼさつ)様とされています。

神様のお顔は、どことなく同村宝樹寺の徳本名号塔の阿弥陀如来様と似ています。

宝珠(ほうじゅ)形にほりさげた中に神仏を浮彫する特徴も共通していますので、同じ石工の作かもしれません。あるいは飛騨方面の石工か?

どの石工の作か、解明が難しいですね。頑張ってみます。

東猪谷のサンニャサマ

富山石文化研究所ブログ

富山の石文化について、最新情報や自分目線の解説を紹介します。 詳細はこちらへどうぞ   公式ホームページ http://tscl.jp/  YouTube  https://www.youtube.com/channel/UCCAxn9KGaCoF5RqXlqlD2nw

0コメント

  • 1000 / 1000