矢穴を彫る

石を割るとき、穴を一定間隔で直線的に彫り、その中に鉄のクサビを入れ、叩いて割ります。

この穴を矢穴(やあな)といい、並んだ矢穴のことを矢穴列(やあなれつ)といいます。

割られた石に残る矢穴は、穴の半分で、断面が見えていることになります。

富山城の矢穴は、台形で、入口部分の幅は約10㎝ほどです。矢穴と矢穴の間隔はまちまちですが、割り難い石や場所ほど、間隔が短い。これは失敗を防ぐための方法です。

石工さんによれば、山の岩盤の石を割るときは、石の層(節理 せつり)に沿って割るので割やすく矢穴も少なくて良いが、早月川から採集した玉石の場合は、どこに節理がはいっているか分かり難いため、矢穴を密に彫る必要があったといいます。それでも割っている途中

であらぬ方向に割れて、失敗することが多かったといいます。成功率は概ね7割かと。

江戸時代の矢穴 富山城に石垣石


あらぬ方向に割れてしまった玉石 早月川の石切場にて

富山石文化研究所ブログ

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