石はどこから?➃ 神通川

富山で一番大きな神通川。源流は県境を越えて岐阜県高山市に及びます。

風光明媚な峡谷地帯「神通峡」を抜けて富山平野に出ると、川は西へ流れ、それから蛇行を繰り返して富山湾へ達します。

市街地付近の中流では、現在、拳大からせいぜい人頭大の大きさのものしかありませんが、これはいくつもダムができたことで、巨石が流れにくくなったためです。

江戸時代から明治頃には、2~3mの大きさの石が、中流まで流れてきていたようです。その頃の石碑には大きな川石が使われることが多く、そのことを裏付けます。

なかでも、考古学で猪谷石(いのたにいし)と呼ぶ砂岩(さがん)は、造形がしやすく、産地の神通峡から近いため、わりと大きな石が流れ着いていましたので、富山町の石工は獲得しやすかったようです。

ほかに50~60㎝の玉石として、考古学で神通川石(じんずうがわ石)と呼ぶ石もたくさんとれました。この石は、10月28日「飛騨探訪 その1」で明らかになったように、奥飛騨の高原川上流から流れてきている石です。富山では、石垣や石積みに使われたほか、江戸時代には屋根に置く石に使っていたようです。



富山石文化研究所ブログ

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