下呂石の話 その3

遠く離れた下呂から、石材をどういう形で持ってきたかというと、握りこぶしより少し小さな大きさで運ばれたことが多かったようです。

ところが、神通峡にある縄文遺跡、富山市布尻遺跡では、2.3kgもあるデカい原石が採集されました。割ってあることから、持ってこられたときはもっと大きかったかもしれません。

採集された亀田正夫さん(富山市)によれば、ほかの割れた破片などといっしょに、まとまってあったということです。

高山市丹生川では5㎏オーバーの大型の原石も見つかっています。こういうものは特殊な例と思われますが、たくさん製作するためには大きなものがロスが少なくてよいのです。

分配するため、たくさんの小ぶりの原石が大量に運ばれてきましたわけですが、それを背負って遠距離を歩いた古代人の健脚には、脱帽ですね。(続く)

布尻遺跡などの下呂石原石や破片 右上が富山で一番大きな原石!

通常はこんな大きさです。右は湯ヶ峰付近の川から採集した下呂石原石、左は布尻遺跡の原石。角がつぶれていることが共通します。遺跡の下呂石が白いのは、年代がたち、水が表面に滲みこんで風化しているためです。割ると真っ黒なのです。

左が富山で一番大きな下呂石原石。2.39kgあります。次に大きいのが1.43㎏。

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