ヒスイの話 その2
【前回からの続き】
飛騨帯の南北でヒスイが出るなら、真ん中の立山連峰のどこかで出てもいいじゃないか!というわけにはなかなかまいりません。
実際は朝日岳に東側にヒスイ産地があり、西側は黒部川に続きます。だから産出する(落っこちてくる)可能性があるとすると、黒部川が限りなく高い川と言えます。
前回考古学者が探したお話をしましたが、彼らは、このようなあいまいな想像から探そうと思ったわけではありません。
当時(戦前)、「黒部ヒスイ」が話題に上りました。「黒部谷発見という硬玉」を見たという学者の報文があり、その後糸魚川中学校にその標本があったという報文もありました。糸魚川中学校の情報は後に訂正されましたが、さらに黒部川上流でヒスイを採取したという県内考古学者の情報が追加され、また県内愛石会のような雑誌に「黒部ヒスイ」が出品されたていたという情報、宇奈月温泉で黒部産ヒスイが販売されていたしたという情報、愛本橋付近の河川工事中にヒスイが発見されたという情報、を知りました。
いずれも現物がなく、又追跡調査もできませんでした。黒部川上流でヒスイを見つけたということで共通していますが、黒部川河口付近でも丸いヒスイ(漂石 ひょうせき)が拾えますので、温泉で販売いていたのは海岸採集のものかもしれませんね。
【さらに、続く】
黒部川を河口から撮影
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