さくらの碑 矢穴
桜の季節になってきました。過去最大級の暴風に難渋しましたが、ソメイヨシノ開花前でまだよかだよかったものの、だいぶ枝が折れたりしたようです。
桜といえば、富山市では松川縁の桜並木が有名ですが、この松川縁、護国神社の近くには、「さくらの碑」があります。
この付近にはかつて「一本榎」と呼ばれるデカい木があったのですが、成政は正妻早百合姫の不倫に激怒しこの木に吊るしてなます切りにしたという、コワーい伝説があります。真偽はともかく、その跡地(?)には桜が植えられ、記念碑が立てられました。大正12年(1923)のことです。
石工は富山市の菊地太平です。大正から昭和にかけて活躍した石工です。
この石碑は長方形の大きな早月川花崗岩で、側面・裏面に矢穴列があります。矢穴は江戸時代に流行した大きさと同じで、この頃にはほとんど使われていませんでした。
割り方から見ても、どうも江戸時代の石垣石のようです。松川は旧神通川の一部で、この付近で江戸時代に護岸用に使われていた石垣石を転用して作ったのだと思われます。
ちなみに、規格からいって、石垣の隅角に使うような立派な石材です。
松川縁の桜散策の際、立ち寄ってみてくださいね。
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