魚津町石工の狛犬

砺波市柳瀬の比賣神社の石造物の二つ目。

参道の狛犬は、砺波地方では珍しい早月川花崗岩のものです。

台座や基壇は当地の金屋石ですので、東西の融合といった感じです。

明治31年(1898)の作です。

基礎には石工銘があったのですが、なかなか読めませんでした。

拓本をとってようやく「魚津町 旗智熊次郎」と読めました。違っているかもしれません。

旗智は「はたち」と読みます。富山県得意の珍しい苗字です。

江戸時代に石垣屋の屋号を使用していたということです。

魚津市友道という中心街付近にあるということでしたが、民家が一軒きりでした。元は石工さんだったかもしれませんね。追跡してみます。

これまで四か所ほどで明治から大正の類似した狛犬があったのですが、いずれも銘がなく石工がわかりませんでしたので、これは貴重な例でした。

なにか暖かい感じのする狛犬ですね。阿形は口をわずかに開ける、控えめな姿です。

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