石目を見る
富山城石垣の石のほとんどは、丸い川原石を使っています。このため、岩塊から切り出す石と違って、石の割りやすい方向(石目という)を把握するのは難しいと石工さんはいいます。
丸い石といっても、石の表面には亀裂(節理)が走ったり、平らな面が残ったりしているので、それらを手がかりに石目が推定できます。しかし、石目は一定方向だけでなく、2~3方向が混在する場合があり、必ずしも節理方向と石目が同じとはいえないということです。
石目の判断を間違うと、割っている途中で急に別方向に向けて割れ、目的とする製品が取れないことが生じます。したがって、石工職人は、まず表面観察で一度石目と推定される方向を見定めて割ってみてから、真の石目を見極めるのです。 (続く)
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