富山城の鏡石は割られる運命だった?
これまで紹介した富山城石垣の鏡石のうち、一つの石の表面にドリルで穴をあけた跡があります。写真で赤丸の位置で、計四つがあります。
横向きに並ぶ穴もあるので、横方向が意識されているようです。
これは石を分割しようとした穴なのでしょうか?
昭和28年、富山産業大博覧会開催の準備として、石垣の上に天守閣(今の富山市郷土博物館)が建築されました。
そのとき、石垣にそって足場(当時は木材)が組まれました。このドリルの穴は、その足場を固定などするため、電気ドリルで木材に穴をあけるとき、勢いよく貫通して石にまで穴をあけてしまったものと思われます。
穴は5ミリから8ミリと浅く、ドリルの刃は木工用なので、これ以上深く穴をあけることはできません。また丸い穴では石は割れませんので、石工さんに聞いたら、笑われました。
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